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木原涼帆(調査研究担当)

私は日本鳥学会2024年度大会で「愛媛県今治市におけるコガモのため池の選択」というタイトルで発表し、高校生・小中学生ポスター賞で、最優秀賞を受賞しました。今回、私は秋にコガモが一つのため池に集中していた理由について調べました。

調査について

調査風景

調査の様子

今回の研究では、以前の観察から疑問に思っていた、コガモがある池にだけ偏っている気がするけどなぜだろう?ということを調べました。本当にコガモが一つの池に偏っているのか、いつ頃にコガモが多いのか等を調べるために、9月~5月に週2回のカウント調査を7か所のため池で行いました。そこで一番大変だったのは日没との戦いです。放課後にカウントに行っていたのですが、17時にはカモの種類なんて分からなくなります。学校から家に帰り、7か所の池をカウントするまでを約1時間半で行うのは、想像以上に大変でした。

一方、調査をして得られた物もとても多かったです。例えば、「秋にヒドリガモが増えてる気がする…」「あの池は潜水ガモが多い気がする…」などなど、ぼんやりとしていた感覚をはっきりとグラフで可視化することができました。そこから面白い結果が見えてきて、調査した甲斐があったなと感じました。あと、普段はこの地域に少ない種も見つけられました。

コガモ

ウキクサを食べるコガモ。このウキクサの有無が、コガモのため池の選択に関係しているかもしれないことが分かった。

学会について

ポスター会場の様子

まず鳥学会の前に都会の洗礼を受けました。迷宮のように入り組んだ地下鉄に惑わされ、初めてのスマホ決済にどきどきしながら改札を通り、東大に到着しました。受付後、初日の自由集会を傍聴しました。渡りというテーマでしたが、研究の結果だけでなく人とのつながりという点からも、渡り鳥について論じられていたのが印象的でした。

その後、ポスターを貼りに行きました。高校生以下は3日目の発表までにポスター掲示を済ませておければよいのですが、その時点で既にポスターを貼っている高校生がいたので、発表練習を聞かせてもらいました。「…レベル高すぎっ」と心の中でつぶやきました。内容も喋り方も、少しのミスをも修正しようとする向上心も凄かったです。かなり焦らされました。

2日目3日目には口頭発表とポスター発表を聞きました。研究の内容自体も面白い知見や考察だらけで、非常に楽しかったのですが、聴者が理解しやすくするポイントを発見できたことが一番の収穫でした。例えば、情報の区切りで一呼吸を置く、スライドは図が多めで文字情報は口頭で補う、研究の目的を序盤にハッキリ述べるなどです。

3日目、ついに自分がポスター発表をする時間が来ました。暑さ+緊張で汗だくになりました。正直、発表中は必死だったのであまり記憶に残っていないですが、たくさんの方に発表を聞いてもらい、多くの感想やアドバイスを頂けたことはすごく印象に残っています。また、自分が発表をする上での改善点も見つけられました。

ちなみに、鳥学会ではたくさんの鳥グッズを入手しました。「めったにない機会だし…」と思って散財しました。購入予定だった日本鳥類目録改訂第8版は参加賞でもらえました。また、勇気を出してあこがれの先生に話しかけることもできました。

結論、めっちゃ楽しかったです。

最終更新日: 2024年11月01日