調査·保全

当会では野鳥を守るため、そして私たちが安心して暮らせる未来を目指して、地域の環境保全に貢献しています。

取り組んでいる主な調査・保全活動について

愛媛県内の鳥類生息調査や目録作成を軸として、希少種保全の調査、風力発電や林道建設に対する行政に向けた意見提出、違法な密猟取り締まりへの協力など、様々な取り組みをおこなっています。ここではその活動の概要を紹介します。

重信川河口調査

重信川河口の干潟を利用するシギチドリ類を主として、岩本孝氏を中心に1996年から毎月カウント調査を実施しています。全国的にも貴重な長期的な個体数変化のデータが蓄積されています。会員の方なら誰でも参加できますので、詳しくはトップページ下部をご覧ください。

全国ガンカモ一斉調査

ガン・カモ類の全国生息調査は昭和45年からおこなわれており、現在は環境省が中心となって毎年1月に一斉実施されています。当会は愛媛県からの委託を受け、会員の協力を得て県内全域の水域をまわり、カウント調査を行っています。

ガンカモ類の生息調査結果(生物多様性センター)

レッドデータブック作成協力および愛媛県産鳥類目録の作成

希少種保全のために定期的に発行されるレッドデータブックの鳥類についてデータ提供や執筆などを担当しています。また、愛媛県産鳥類目録を鋭意作成中で、データベースの整備および編集作業を進めています。

日本のレッドデータ検索システム
愛媛県レッドデータブック2014
松山市レッドデータブック2012

モニタリング1000事業への協力

環境省では全国に1000ヶ所程度のモニタリングサイトを設置し、日本列島の多様な生態系に関する基礎的な環境情報の収集を長期にわたって継続し、日本の自然環境の質的・量的な変化を調べることを目指しています。愛媛県内に設置されたモニタリングサイトの調査について、当会が協力しています。

モニタリングサイト1000とは(環境省)
愛媛県内のモニタリングサイト(環境省)

県内に生息する希少種の調査

県内における希少種の分布状況を明らかにするため、オオミズナギドリ・カラスバト・カンムリウミスズメ・ミゾゴイ・ウチヤマセンニュウなど特定の種について重点的に調査を行ったり、助成金の申請等もおこなっています。

小川次郎・渡辺奈央・松井宏光・大森浩二(2016)瀬戸内海忽那諸島およびその周辺島嶼部における絶滅危惧種ウチヤマセンニュウ Locustella pleskei の生息状況. Strix 32: 125-133.
愛媛新聞ONLINE 絶滅危惧種ウチヤマセンニュウ 新たに県内6島で確認(2016.09.05掲載)
伊予銀行環境基金エバーグリーン(2008年度)「宇和海島しょ部における鳥類生息調査」
「三浦保」愛基金環境保全・自然保護分野助成によるフクロウ及びミゾゴイなどの夜行性鳥類調査
山本貴仁・小川次郎(2006)愛媛県におけるオオヨシキリ Acrocephalus arundinaceus の分布状況. 愛媛県総合科学博物館研究報告 11: 11-19.

タカ類渡り調査

佐田岬半島や由良半島付近は毎年数多くのワシタカ類の重要な渡りルートとなっており、その経年変化を毎年調査しています。秋期には調査を兼ねて観察会も実施しています。

タカの渡り調査
タカの渡り全国ネットワーク(当会も情報提供をおこなっています)

会員参加型調査

当会では会員からの野鳥情報を常時収集していますが、特定種についてウェブサイトの投稿フォームから気軽に情報提供できる、会員参加型調査を随時実施しています。これまで以下の調査を会員に呼びかけて実施しました。

・ツバメ3種分布調査
・カイツブリ繁殖調査
・ウグイス初鳴き調査
・ツグミ初認調査
・ジョウビタキ初認・分布調査

県内へのツル類の誘致と越冬地環境の整備

ナベヅルの世界の生息数は1万5千羽程度ですが、鹿児島の出水ではその約9割の1万3千羽以上が越冬しています。このように密集して越冬すると、鳥インフルエンザなどの感染症による大量死など、絶滅してしまうリスクがあります。そのため、全国に越冬地を分散させる取り組みが行われています。当会では西予市において、地元や日本野鳥の会本部などと協力し、ナベヅルを誘致するための調査活動を行っています。

ツル類に関する当会の取り組み記事一覧
ナベヅル・マナヅルの越冬地保全の取り組み(日本野鳥の会)
ナベヅルのねぐらの利用状況について(日本野鳥の会 発表資料)

風力発電・林道建設に関する報告・意見書

野鳥だけでなく生態系全体、そして自然景観にも影響を及ぼす風力発電や林道建設に関して、問題提起をおこなっています。

保全活動に関する記事一覧
松田久司(2007)バードストライクについての四国初の事例報告 ‐佐田岬半島の風力発電施設におけるトビの衝突死‐. Strix 25: 105‐107.
野鳥と風力発電(日本野鳥の会)
風力発電施設と野生生物保護(環境省)

密猟対策

日本の野鳥は、原則、捕獲・飼養が禁じられています。しかし現行法では、外国から輸入された野鳥の販売や飼養への規制がほとんどなく、そのため国内で密猟された野鳥を外国産と偽って販売する事件が絶えません。当会でも全国野鳥密猟対策連絡会や警察と連携しながら、取締りの要請、種の鑑定、啓発活動を行っています。

密猟対策に関する記事一覧

鳥獣被害対策

繁華街で塒をとるカラスによる糞害やゴミ荒らしへの対応について、専門家の立場から行政へ助言をおこなっています。松山市の繁華街ではミヤマガラスが冬季塒を形成しており、その個体数が多いことから問題となっています。

山本貴仁・小川次郎・丹下一彦・秋山勉(2005)ミヤマガラスの都市型塒. Strix 23: 149-152.
鷹匠を活用したカラス対策(松山市役所環境モデル都市推進課)

最終更新日: 2020年06月16日

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