場所:大洲市肱川町/西予市野村町
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セールスポイント:オシドリの越冬地としては日本最大規模のダム湖。越冬個体数は1,000羽から5,000羽程度までと、年による変動が大きいものの、単一の越冬地としては日本最大規模である。2005年1月の調査では、3,288羽が記録された。これは、環境省による平成16年度ガンカモ類全国一斉調査で記録された、オシドリの総数29,722羽の約11%にあたる。ダム湖の数箇所で100羽~300羽程度の群れが見つかるはずである。なお、夕方になると採餌のため周辺の山々に移動するため、湖面に出て群れるようになる。オシドリの活発な姿と群れの壮大さを実感するには、夕方が狙い時かも知れない。やがて、薄暗くなった頃に次々と飛び立ち、山肌に消えていく。そのほかのカモ類では、マガモとカルガモのほかに、オシドリの群れに交じって30羽程度のトモエガモが越冬する。越冬期の鳥類ではアオバトの群れやカラの混群、オオタカやハイタカ、ノスリなどの猛禽類が出現する。
交通:山間部のダム湖なので、自家用車かレンタカーの使用が便利である。ダム湖沿いに道路があり、車で移動しながら観察できる。交通量は少ないが、道幅が狭く危険箇所が多いので、走行や駐車場所に注意すること。松山空港からは、国道56号・国道197号を経由して1時間30分程度で鹿野川ダムの堰堤に到着する。大洲市内からは、国道197号を走行して約20分。
駐車場:各所、移動しながら道路脇の空き地に駐車可。
トイレ:公園入口のほか、3箇所。
観察に適した時期:オシドリの群れを観察できるのは、11月から翌年の3月上旬までである。春のお彼岸頃には、そのほとんどが繁殖地へ旅立ってしまう。なお、数羽が越夏することもあるが、繁殖は未確認である。繁殖期の鹿野川ダムは静かである。ダム湖に流入する船戸川や黒瀬川、大谷川の流れ込み部では、ヤマセミを観察できるが、出現頻度は高くない。なお、周辺の山々ではキビタキやオオルリ,サンコウチョウが繁殖する。
観察できる野鳥
留鳥:カイツブリ、トビ、オオタカ、ヤマセミ、カワセミ、アオゲラ、カケス
夏鳥:ハチクマ、サシバ、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ
冬鳥:カワウ(ごく一部は越夏)、オシドリ(ごく一部は越夏)、マガモ、カルガモ、トモエガモ、ハイタカ、ノスリ、アオバト(ごく一部は越夏)、ルリビタキ、アオジ
探鳥会:なし
注意点:オシドリは一般的に夜行性であるため、昼間は水辺の陸地で休息していることが多い。湖面が静寂なときには、その存在に気づかないことが多いので、双眼鏡や望遠鏡で水辺丹念に探すとよい。なお写真撮影は地形的な制約があり適さない。オシドリは警戒心の強い野鳥である。脅かさないよう静かに観察することを心掛けたい。近年、船外機をつけたバス釣りのボートがダム湖に侵入するようになった。このため、オシドリが追い立てられ、期待したほどの群れが見られないこともある。
備考:ダム湖の堰堤近くに温泉と宿泊施設あり。鹿野川荘/小藪温泉(各ホームページ参照)